富山市 高澤 千夏 
8月初めの月曜日、まだまだコロナが落ち着いていないのに…私は1年ぶりの京都に来ていました。車はどんどん山の中に、着いた所は京都大原記念病院
 そう!今日から28日間パーキンソン病のリハビリを受けにきたのです。
今年の初めからパーキンソン病に特化したディサービス【地球の子】に通い。病状の辛い状況から大分回復できました。地球の子では、一定期間毎月2名この病院でリハビリを受けています。コロナの影響で今年度初めての参加を受けることができました。
着いて直ぐに、私は、担当看護師を紹介されバイタルチェック。その間に家族は、書類関係の確認、荷物を運んでくれ そのあと病室で合流 ソーシャルワーカー、介護士、作業療法士の方々が次々と挨拶に来られました。
最後に主治医のF先生が登場!「高澤さん今回の目標は?」えっ!
LSVT BIG(パーキンソン病患者向けリハビリ訓練法)を受けることが目標ではないんだ。
少し考えていると、「ご家族は?」日常生活を不自由なく特にoff状態に少しでも動けたらと、主人が、私も着替えをスムーズにしたい!動きをスムーズにしたい!この2つの事が今回の目標になりました。加えてサイズダウンもね❤最後にニッコリと、入院中は間食しないでね❤と先生は退室。
バイタルチェックが終わった頃から、緊張からか酷いoff状態になっていました。ついさっきまで歩いていたのに歩けない…どうしよう…理解してもらえるのか?トイレに行くのに何事もないように車椅子を用意してくれた看護師さんに感謝しました。お昼ご飯も食べれない!お母さんがご飯要らない!…息子は驚き、その様子を見て主人は、大丈夫か?いつも私の無鉄砲な行動を、好きにしたらと呆れ いや諦めていてくれたが、流石に今回は、心配になったようです。
しかし、ここで帰るわけにはいきません。
大丈夫、大丈夫早く帰られ…顔を引きつらせ見送りました。
 午後からリハビリが始まりました。1日120分で60分2回又は40分3回。私は2回。通常午前午後1回リハビリの予定が組まれていますが、今日は、午前に入院なので、午後から2回。今回のメイン担当Yさんが1時に迎えに来られました。背の高い綺麗な女性クールビューティ第一印象です。
今、offで動けません わかりました。と車椅子で作業療法室へ、体は動かないが口は動きます。はい。無駄のない会話…今日は検査をしますと。住所・氏名・ここはどこ・暗記・計算などの質問に答えました。off症状のまま終了。部屋迄送って頂きほっとしていると、3時に、サブ担当のY君が迎えに、人懐っこい笑顔で…息子と同い年の爽やかな青年、この日のリハビリはそれ以外何も覚えていない…自分のメンタルの弱さを痛感。
ようやくONになり、荷物を片付け、夕食を完食し、9時消灯。眠れるかな?
思う間もなく、気付けば朝 地球の子の代表中川さんの配慮でミネラルウォーターが届いていたので、直ぐに飲んで一息。さあ!今日から頑張ろう!
6時起床・8時朝食この時間から、今日担当のセラピストが予定を伝えにこられる。起床後offの私は、箸を持つことができず。ご飯を諦めました。その時、高澤さん♪おはようございます♪と爽やか君、予定を聞きつつ、申し訳ないけどと牛乳のストローを差してもらった。他に困った事は?と、ご飯のことを伝えると。明日からパンに変更できるか確認してくれると。
良かった、寝返りもままならず。ベッドに斜めに寝転んでいると、目のクリッとした可愛い女性がクールビューティがお休みなので、今日の担当Yさん。驚きながら、辛いでしょうと体を真っ直ぐに直して「では後ほど」。暫く誰も来ないと、そのままでいたら、髪の長い綺麗な女性が、だれだろう?ああっ!F先生だ!慌てて起き上がろうとするが、起きられない。そのままでいいからと、off状態の筋強剛の確認をされました。嬉しい事に退院迄、ほぼ毎日来てくださり、色々お話しする事ができ、安心して入院生活を過ごせることができました。
 リハビリが始まりました。ストレッチから色々な動きをチエック、右足が気になりますね…右足に不安を抱えていたので、右足を整えるのも目標に加わりました。午後からは爽やか君、午前のリハビリの内容もきちんと伝わっていて、歩き方チエック、修正が必要です。1ヶ月しかありません。ここで、私の右足はかかとから着いていないことが判明。そこから、何度もかかとを着く練習。
この日から、リハビリの予定表の3回目の欄に内容を記入する事にしました。リハビリの内容をきちんと理解しているか、今回LSVT BIGは予定にないのでは?代わりに何をしてきたのか記録しておこうと思ったからです。
3日目から、起床後の自主トレ開始 クールビューティと爽やか君が家に帰っても続けられるようにと考えて表にしてくれました。
2日目から毎日、歩き方・歩行訓練・散歩。病気なのだから仕方ない…半ば諦めていたことを数人のセラピストが、少しでも良くなるように考えて指導してくれる。なんて贅沢な時間、一流アスリートになったようです。
歩行訓練もイケメンのセラピストと、病院の廊下を守られながら(転ばないように)歩く。お姫様気分♡傍から見たら、子分を引き連れて歩いていると…

並行して、クールビューティが、off状態のトレーニングを、大きく大きく
ゆっくりゆっくり何度も何度も繰り返す。キツイ!日が経つにつれ彼女は、体育会系のサッパリとした仕事に誇りを持った人だと理解しました。後半に差し掛かった頃、彼女と歩行訓練するとラクでした。なぜなら、私は人の前を歩くのは苦手です。ここでは守られているため前を歩いていました。彼女だけは、前を歩いてくれたのです。後ろに目があるかのように、そーっと止まっても、さっと振り返り確認。私を理解してくれているからこその行動。Off状態のトレーニングのキツさも絶妙でした。家に帰ってからのトレーニングの大切さを話してくれ、実行に移しやすいように指導してくれました。
爽やか君は、私の着替えの指導、小さめのT シャツを着て スパッツを履いて その上から 大きめの T シャツと ズボンを 何度も脱いだり着たり、 彼は一生懸命に こうしたらどうですか? 答えが見つからない時は、 宿題にしますと 家で考えてきてくれたりと熱い。しかしoff状態は手強い、なかなか上手くいかない、もう限界かなと思っていたが、彼は諦めませんでした。 最後まで 着替えのことを 気にかけてくれました。また歩行訓練では 外を歩きたがっている私を 配慮してくれ 何度となく 暑い中 外で指導してくれました 。歩行器なしで 病院の周りを 歩けたことは とても嬉しかったです。今の高澤さんなら大丈夫・自信をもってと励ましてくれました。
病院では 治療にあたり 主治医を中心としたチームがあります その中に 栄養士さんもいます。 私はカロリー制限をされていることもあり 栄養士さんが週に1回必ず 大丈夫ですか?どうですか?と来ていただきました。帰った後の生活のことも考えた、栄養指導も受けました。
 看護師さんも私の状態をよく理解しようとしてくれ 今off?とか、off状態で歩いていると、イチ・ニ・イチ・ニと、掛け声をかけてくれたり、困ったことがあったらいつでもお手伝いしますからね!と 配慮してくださいました
そうこうして、たくさんの人に助けてもらいながら1ヶ月のリハビリは、終わってみたら、あっという間でした。 
今回、LSVT BIGはできませんでしたが、私の体の状態を考えて 体を整える方が さきと 考えてくださったそうです。

家に帰ったら、 全国紙が届いていました。 富山県の山下さんの記事を読みました。主人が一言、千夏も時代が違っていたら、どうなっていたかな? 感謝しなくちゃね! 本当に 私は恵まれているなと思います。パーキンソン病になり、色々な人に出会い、支えられ、助けられてこうして 京都まで行ってリハビリを出来たのもその一つ。謙虚に感謝したいと思います。

今回、28日間、自分と向き合い、からだの中から外から作り作り変えてきました。  
私はこのカラダで生きていく。

*高澤さんは、報告のとおりきめ細かなリハビリプログラムを真面目にこなし、見違えるほど体の動きが軽くなって、富山交流会の席でみんなを驚かせました。
トレーニングの写真を京都大原記念病院の担当理学療法士さんの了解を得て公表してくださいましたので、どうぞ一緒にやりましょう!

富山県パーキンソン病友の会通信
全国パーキンソン病友の会富山県支部  NO.108 
20.10.10  より転載