富山市  高澤千夏
ようやくコロナも大分落ち着いてきた、10月に入った頃 11月に大原記念病院に行かないか?と声がかかりました。去年までの私でしたら「はい!行きます!」と即答していたのですが…今年は、家族と相談してから返事します。
今年に入ってから、同居している主人の母、私の両親が次々と体調が思わしくない状態が続いて、特に2人だけで暮らしている実家には、妹が県外にてコロナ禍帰省もままならないので、主人か息子に車を運転してもらい毎週通っています。自分の通院等にも付添して貰っているので感謝をしつつも、病気の自分を恨めしく思っていました。そんな状況で1ヶ月も家を空けると言えるのか…
「私、来月また京都でリハビリしてきたい」
「ハァ!今の状態わかっている?」「行っても効果が戻っているじゃないか」
「家族に負担をかけてまで行きたいのか」
 当然です。今回は諦めようと思いました。「明日断る」
次の朝、息子が「お母さん京都どうするが?」「行きたいけど…断る」
「行けば」「いいが?」「おっても、車出さんなんし、おらんにゃ静かでいいし」
こうして行けることになりました。
11月は松寺さんでの交流会の再開があり、ハガキ等の準備。当日は沖本副会長とまるちゃんに、お願いして他にもギリギリ迄用事を済ませ慌ただしく京都へ向かいました。
 1年半振りの大原記念病院。色付き始めた木々たちが出迎えてくれました。
PCR検査を受けて入院決定、そしてLSVE BIGが可能かどうかの検査、明日からBIGやります。やったー!
LSVT®BIGとは、米国のRamingらが開発したパーキンソン病に特化したリハビリテーションのプログラムです。特にパーキンソン病の軽度から中等度の方に対して、効果的・短期的に高い治療効果が期待できると言われています
ありがたいことに、ON・OFFの激しい私に考慮してくださり
朝1番の8時40分からBIG
11時からBIGの自主トレ
13時個浴
15時リハビリと時間を固定にしてくださいました。
お陰で、朝1番のBIGは1度もOFFになる事は、ありませんでした。
LSVT®BIGは、体を大きく動かすことを意識するトレーニングです。集中して大きな動きを繰り返し、正常に近い動きの獲得を目指します。
 BIG担当セラピストは、BIG講習を受け、認定された療法士のみが訓練を行うことができます。
今回BIG担当の私のセラピストは、とてもキュートなⅯさん
さあ!始めます!リハルームにⅯさんと私の声が響きます。
「まえっ!」「した!」「うえっ!」「開いて!」「12345678910」
コロナ禍で久しぶりのBIGのトレーニングだったため。少しざわめき注目を集めました。今回自分の中で「頑張る。よりも楽しもう」と決めて、真っ赤な半袖Tシャツを何枚か持参して挑みました。
 動作は難しいことはないのですが、大きな動きがなかなか難しい、大きく動かして鏡を見るとなんてコンパクトな動き…あれれ
1動作8~10回1動作終わるごとに、汗が吹き出し息が切れる
大きく!大きく!Ⅿさんの声が飛ぶ
手を広げて!肘を伸ばして!背中!
無我夢中で8動作を終えると疲労困憊、自分の体力のなさに情けなくなりました。但し「やりたくない」という思いは最終日までありませんでした。
その次は機能的要素課題として、明確な目的を持ちトレーニングします。私は、トイレ…入り方、ズボンの上げ下ろし、背中を伸ばして足ふみ、たった5回のこの動作ですが、毎日続けることにより終わり頃にスムーズな動きを取得でき、今回着替えも1度もナースコールに頼ることなくできました。
その後は歩行訓練、大原の景色はとても綺麗で、毎日変わる。そんな変化を楽しみながら…またまた 大きく!大きく!前を向いて!俯かない!
あっという間の1時間。11月だというのに半袖着ているのに、この汗・汗・汗
着替えて、少し休むと自主トレの時間、病棟の看護師さんに付き添われ(見張られ?)自主トレルームへ家に帰ってからも、続けて行けるように自主トレも課題です。どの看護師さんも真剣にBIGを一緒にしてくださいました。イケメンナースマンにココロも躍らせ、新人ナース4人組の初々しさに癒されました。
 ある朝 洗面所で
「毎朝、大きな声で頑張っているね」
と声をかけられました。私の姿を見ている人がいる。そしてエールを送って下さった。入院してリハビリを行っている方々は、ご自分の事で一杯のはず。そんな状況の中で声掛けしてくださった嬉しい!一層頑張ろう!と力が入りました。今回同じデイサービスから一緒の期間トレーニングに来た方から「その話しは、私の所にも入ってきました。」ーありがとうー
他の人を励ますため自分に負けないために大きな声が必要❕」
そうだ!大きな声をだすことにより、自分自身を励まし鼓舞させている。その声を聞いて励まされた方がいる。後日セラピストの先生からも「元気を貰った」と他の患者の方々からも褒めて頂いていると聞いて胸にこみ上げてくるものがありました。
パーキンソン病の症状は、人それぞれ違います。私は、今大きな声を出すことができる。その声で元気になった方がいる。なんて幸せだろう!
最終日セラピストの先生に見守れながら。BIG終了
終わった…瞬間…涙が溢れて、先生と涙涙涙
後は、家に帰ってどれだけ継続できるのか これが1番大切な事
パーキンソン病を、全て受け入れる度量は、今もありません。しかし私は、この身体で生きていく 与えられたチャンスを逃さず。そのための努力は惜しんではいけない。
今回も京都までの送り迎え他全面バックアップしてくれた家族、沖本さん他富山地区交流会のみなさん、中川代表他地球🌎子のみなさんの協力のおかげで行くことができました。ありがとうございました

富山県パーキンソン病友の会通信
(
全国パーキンソン病友の会富山県支部)  NO.114 より