蛍の光で書を読めますか? 自宅で実験しました。firefly01
 我が家は、富山県南西部の散居村で有名な砺波平野にあります。
そして、家の裏手に農業用水の中村川が流れており、毎年5月から7月にかけ蛍が出ます。夜空に澄んだ白色の光を放ちながら飛び交っています。幻想的です。
 「蛍の光窓の雪」の明かりで文を読み勉学に励んだ晋の東胤(とういん)に倣って、先週の金曜日(6月17日)に実験してみました。

 この日は昼も夜も快晴、気温も最高28度。蛍が活躍するのに絶好。午後9時頃、中学2年の孫を助手にして川端へ。孫が持つ虫採り網は畠リハビリジムの畠さんから借りてきたもの。網袋のついた棒を振り回すと、3匹が入った。家に駆け込んでテーブルに新聞を広げ、蛍を這わせる。透明なガラス器を被せ、電灯を消して観察開始。
孫は記事を一文字ずつ読んでみせ「経済、財政と書いてある。ほら読めるでしょう」という。どれどれと今度は私が覗いたが、全く読めない。
そこで、孫がもう一度外へ出て虫採り網を振り回して7匹に増強した。
蛍にもうしばらくの我慢を頼んで実験を再開した。
孫は、先ほどと同じようにこんなに読めると記事を読んでみせた。
「蛍の光窓の雪」は、卒業式では歌うのが決まっているような「国民歌」だ。「窓の雪」は、月明かりのある晩なら読めるかも。
そこで結論。
孫には読めても私には読めない。その訳は、視力の強弱にあった。
そういえば私の視力はどんどん落ちている。視力がある人は読める。ない人は読めない。
これが実験の成果であった。

 「蛍20日に蝉3日」という。両方とも短命である。3日でも4日でも与えられた命の限り鳴き続ける蝉と、光の乱舞を続ける蛍。愛おしいものを感じた夜でした。

 これは、蛍を見て急に実験を思い立った老人の笑い話のひとつです。
人間、生を受けて子供になり、大人になる。そして老人になる。そのあとどうなるのか。有機物が無機物になることまでは分かっているが・・・・・・。
変な実験も老人のお笑いの一幕です。読んでいただきありがとう。

投稿者:森 岸生